Nandu Nandkishore氏(元 ネスレニュートリション グローバルCEO、元ネスレ本社 EVP(アジア・オセアニア・アフリカ地域 統括)) 「高齢化社会の課題と解決 -変化する社会 2010年から20年代-」

2022年8月に 元 ネスレニュートリション グローバルCEO、元ネスレ本社 EVP(アジア・オセアニア(大洋州)・アフリカ地域 統括)、ボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザー、インド商科大学院 教授、ロンドンビジネススクール 客員教授 Nandu Nandkishore氏をお迎えして「高齢化社会の課題と解決 -変化する社会 2010年から20年代-」をテーマに基調講演を頂戴し、参加者の皆さまと学び合いました。

 

ご講演概要:
Nandu Nandkishore氏には 「高齢化社会の課題と解決 -変化する社会 2010年から20年代-」をテーマに劇的な変化が同時多発的に起こる現代における高齢化の課題、同氏のネスレリタイア後の経験に基づいた洞察を踏まえて、退職後の高齢者が抱える「孤独」の問題をいかに解決するか、企業が従業員の引退後を見据えてサポートする意義について学ぶ有意義な機会になりました。

2018年に5歳以下の人口よりも65歳以上の人口が多い転換期を迎えた現代において高齢化は最重要課題の一つであり、その根本的な問題は「孤独」であると理解しました。また40〜50年間のキャリアのほとんどを組織で過ごした人にとっては社会的なやりとりが組織によって決まり、新たなコミュニティを作ることが困難になっていると学びました。

人生100年時代において重要なのは仕事の肩書きや名刺ではなく、個人のパーソナリティや情熱やネットワークであるとNandu 氏からはお話を頂きました。また、Nandu氏がリタイヤ後に個人としての人生計画を自身で作り、自らの経験を社会に還元する目的の一つとして大学で教鞭をとったという事例、ネスレが従業員の引退後の半生のためにポートフォリオを持つようアドバイスをして退職後もコミュニティを持つ感覚を醸成しているという事例を共有頂きました。

質疑応答概要:
質疑応答では 当会グローバル・アドバイザリー・メンバーであり、スウェーデンのカロリンスカ研究所ボードメンバーである Torkel Falkenberg 教授にパネリストとしてご参加頂き、現代の医学において個人に最適化するプレシジョンメディシンがトレンドであるお話などを頂きました。

ご参加を頂いた皆様からは「従業員の健康に関して、会社がサポートすることで高齢化しても自立して健康を保ち続けられるのではないか?」などの質問を頂きました。

Nandu氏からは「企業は従業員を教育することで健康や退職後をサポートすることができると考えられる。ただし、文化や価値観を共有している従業員が退職後にアドバイザーとして携わるなど企業と従業員の関係には経済性がないといけない。」など貴重なご意見を頂きました。

 

スピーカー様 プロフィール・ご経歴:

Nandu Nandkishore 氏は、チームを鼓舞するリーダーであり、マーケティングと戦略の第一人者。37年以上にわたり、急激に変化するグローバル消費財市場にて、新興国および先進国のさまざまな環境でリーダーシップを発揮しチームを成功へと導いてきた経営者。Nandkishore 氏は、ネスレに在籍するインド人としてははじめて世界人口の4分の3をカバーするアジア・オセアニア(大洋州)・アフリカ地域の市場を統括した。そして、ネスレニュートリションではグローバルCEOとして、世界各国の市場を統括した。Nandkishore 氏は、ネスレでのキャリアにおいて、アジア太平洋、アメリカ、ヨーロッパで異文化からなる大規模なチームを率いて成功を収めている。

現在 Nandkishore 氏は、自身の専門知識と経験を活かして、変化の激しいこの世界で企業を導くために、講演やアドバイザリーを通じて積極的に活動中。また、ロンドンビジネススクールの客員教授、インド商科大学院の教授、ボストンコンサルティンググループのシニアアドバイザーを務める。また、ベンチャーキャピタリストやスタートアップ企業のアドバイザーを務める。

専門分野は、事業再生とクライシスマネジメント、技術に基づいたイノベーションによるオールドエコノミービジネスの変革、「技術主導」と「シェアリングエコノミー」という新しい状況におけるリーダーシップとコーチング、新興市場、グローバル化、異文化間のオペレーション、販売、流通など。また、企業の社会的責任や社会貢献による共有価値の創造についても講演を行う。