設立の背景
団塊の世代が75歳を迎える2025年。
超少子高齢化の進行により、日本の医療制度の崩壊や高齢者層のQOL低下などの社会問題化が危惧されています。
医療費抑制やQOL維持のためにも、高齢者層の健康寿命を延ばすことが重要です。そのためには、生活習慣病や脆弱化になるのを未然に防ぐ「未病」「フレイル予防」「免疫力」の領域に力を入れる必要があります。たしかに高齢者層において健康寿命の認知は高まっていますが、その具体的な対処法であるフレイル予防などの認知自体もまだ低く、行動変容に結びついていない状況にあります。また、未病、フレイル予防対策が栄養、運動だけでなく、社会面、心理面、バイオ、ゲノムを含めた包括的なアプローチが求められることも成果に繋がっていない一因と考えられます。
健康関連企業はこのような状況を打破すべく、業界の壁を越えて「未病」「フレイル予防」の領域における産学連携の可能性を模索しています。
例えばヘルスケア・製薬・医療機器・バイオ企業は、デジタル化(DX)により、診断・治療の前段階である「予防」も含めた時間軸で捉え、エビデンス集めの段階から地域の研究機関などと協力関係を構築していきたいと考えています。
また、食品・飲料企業(発酵含む)は、フレイル予防や未病・免疫力対応商品の開発のため、エビデンスの収集・分析に関してIT企業や研究機関との連携を強化する方向にあります。
一方、海外の研究機関では産学連携が日本以上に進んでおり、アクティブシニアを対象とした未病・フレイル予防の研究が盛んです。ただ、これら先進事例が現時点では日本では紹介されていない状況にあります。このように、業界・専門領域、そして国の壁を越えたアプローチがアクティブシニアの「未病」「フレイル予防」対策には求められています。